D-Pad
インディーゲームの展示会に出展したら大柄な外国人4人に囲まれて展示したゲームについて議論を交わしているけど英語がサッパリなのでオロオロするだけだった英語弱者な皆さんこんにちは。取り合えず十字キーの事をD-Padと呼んでいる事は分かりました。展示したゲームが言葉での説明を必要としないゲームだった為か、外国の方でも楽しんで頂けたようで良かったです。有難うございました。
福岡インディーゲームエキスポ2024
というわけで3/23(土),24(日)の二日間にわたって開催された福岡インディーゲームエキスポ2024に出展してきました。
開場がキャナルシティ博多という大きな商業施設という事もあり、開催日両日とも生憎の雨模様だったものの来場者が途切れるという事があまりなく、手が空いて時間を持て余したのは初日の開始一時間と二日目の終了一時間前の時間帯ぐらいでしょうか、おかげさまで配布用に用紙していた紙製のクリアファイルは全て捌ける事が出来ました(一日目で全部配布し終えそうな勢いでした)
去年まではアーリーアクセス版の宣伝のために「W.T.」を展示会に出展していたのですが、今回は次回作の製作に向けて市井の方が方々から意見をもらう為に「Under A Groove」のデモ版を出展しました。ノーツが降ってくるようなリズムゲームとは少し趣向を変えて遊べるMV的なリズムアクションゲームとなっています。
全く無名のゲームタイトルなだけに展示会では素通りされるかと不安でしたが、存外にも多くの方に遊んで頂き、狙い通りに様々な意見を頂けて意義のある出展になりました。
特に初日の土曜日にはゲーム好きな方だけでなく、ゲーム実況をされている方、ゲームを制作している方などゲームに対して一家言ありそうな方々が多く来場されていたようで、こちらがプレイした感想を求めると、結構詳細に意見や疑問点を伝えてくれる方が多かった印象です。
そのおかげで自分では気づけなかった問題点や、改良点を知ることが出来ましたし、このゲームに対して私が強み(アピールポイント)だと思っている部分について賞賛頂ける事が多く自信を持つことが出来ました。
なので今回は展示会のレポート言うよりは、試遊された方から頂いた意見や質問などから、私が感じた事、気づいた事について記事に纏めてみたいと思います。
パブリックイメージ
上にあげているプレイ動画は初日に頂いた意見を元に応急処置で二日目に間に合いそうな箇所を修正したバージョンのプレイ動画です。
修正した箇所はいずれもゲーム中に起こるイベントで、パブリックイメージ(広く一般に認識されているイメージ)とは異なるリアクションとなっていた為に違和感を訴えられた箇所でした。
◆修正点1:正否を表現する色
画面下部の両端からノーツが移動してくるバーはノーツが中央に来るタイミングで色が変わります。
これはボタンを押すジャストのタイミングを表現していますが、当初は画面の背景に青系の色が多い事もあり、視認しやすいように赤系の色に変わるようにしていたのですが、これを「(操作を)間違ったのか?」と戸惑う方が多かったようで「操作の正否が分かりづらい」との意見を頂きました。
多くのゲームではプレイヤーが操作を誤った際のエフェクトには赤系の色が使われているため、赤系の色を見るとNGだと認識される方が多いのだと思います。逆に青、緑系の色はSafeの印象となるので、二日目は緑色の表示に変更しました。
◆修正点2:ゲームパッドの振動
プレイ動画からは分かりませんが、ボタンを押したタイミングで判定がOKの場合はゲームパッドが振動するように処理を行っていました。
これはこのゲームを作る際に参考にしたゲーム(洋ゲー)がチェックOKの時にパッドが振動するようになっており、私も「操作が正解した」手ごたえを感じる事ができると思い、この仕様を採用したのですが、こちらもパッドが振動するのはミスをした所為だと勘違いされる方が多く、プレイ後に「パッドが振動するのはOKの時?NGの時?」と質問される事が多々ありました。
多くのアクションゲーム等で自機がダメージを受けた際にパッドが振動する為に、このゲームでも同じような認識を持たれたのだと思います。
二日目にはパッドが振動する条件を逆に(誤った時に振動)すると、このような意見を言われる方はいなかったので、こちらの方がパブリックイメージとして浸透しているのだと感じました。
ゲームの仕様を決める際にはデザイン的な趣向や制作側の都合よりもパブリックイメージを考えて、遊んでいる方が違和感を感じないような仕様にした方が無用なストレスなく遊んでもらえるという事が分かったので今後の参考にしたいと思います。
盲点だった事
展示会開催中での修正は間に合わなかったのですが頂いた意見の中で最も多かった意見は「操作が成功した時のエフェクトを派手にした方が成否が分かりやすい」というものでした。
これは私としては意外な意見で、というのも、このゲームでは操作の正否によって発生するアニメーションが大きく異なるような仕様になっている為です。
操作の成否によるアニメーションの分岐
それでもこのような意見が聞かれるのはどうしてだろう?と自問したところ、「そもそも初見のプレイヤーは正否のアニメーションを知らない」という事に気づきました。つまりOKの場合のアニメーションを見ても、NGの場合のアニメーションを見ても、初見のプレイヤー側はそのアニメーションが「OKを表現しているのか、NGを表現しているのか分からない」という事。
これは気づけば単純な事ですが、制作者として完全に盲点でした。
通常の音ゲーのように「JUST」や「BAD」等の文字ではなくアニメーションの変化でそれを表現しようとしましたが、それだけではプレイヤーに伝わらない、とは言え「(正否を文字表示するのは)ダサいから止めた方が良いですね」とおっしゃる方もいたので、ここら辺はもう少し表現方法を練る必要がある事に気づかされました。
他にも途中でゲームコントローラーを表示して十字キーの上にノーツを表示する、ようなイベントの箇所では、ボタンではなく実際にコントローラーの十字キーを押して操作しようとする方もチラホラ見受けられ、ここは「全てがボタン一つで操作可能とするか」「画面の通りにスティック、十字キーも押して操作できるようにするか」悩みどころだと感じました。
感想を下さる方の中でも意見が分かれていたので、対応策はこれから模索していくことになると思います。
全体の感想
色々と課題点を上げましたが、試遊して頂いた方の反応はおおむね好評だったと思います。中には手放しで絶賛してくれる方もいて非常に心強い思いになりましたし、小さなお子さんが私のゲームを指さして「これやりたい」と駆け寄って来てコントローラーを手に取ってもらった時は本当に嬉しかったです。
また、今回はいつになく名刺交換をさせて頂く機会が多かったり、周りの出展者の方とも少なからずお話しすることが出来ましたし、空いた時間で遊ぶことも出来ました。(東京で出展した前二回は他のブースに遊びに行くような余裕はなかった)
それにこのブログの読者さんにも声を掛けてもらったりと(嬉しかったです)、非常に実りある出展になったのではないかと思っています。
心残りは一日目の終わりに開催された懇親会に出席できなかった事ですが、これは次回のお楽しみに取っておきたいと思います。
来てくださった方々、遊んで下さった方々、
本当に有難うございました!