原カバンは鞄のお店ではありません。

Unityを使ったゲーム制作のあれこれを綴っていきます。

【Unity】DOTweenで狙った方向に回す為のアレコレ

迫りくる年末

コロナ騒動が一応収束したことにより復活した忘年会やら納会といった会社行事の恐怖に怯えている皆さんこんにちは。毎度断る理由に四苦八苦していますが、大掃除だけは断る理由が見つからないので参加することになりそうです。

 

ビジュアルと演出に特化したゲーム

いかにも海外のインディーゲームといった感じで、「娯楽性」「ゲーム性」が薄目で「ビジュアル」と「演出」にパラメータを全振りしたようなADVゲーム『South of the Circle』をプレイしました。

東西冷戦下イギリスで大学講師を務める主人公が、南極の利権を巡る国家間の紛争とイギリス国内で巻き起こるジェンダー闘争に巻き込まれるストーリーで、南極で行動している主人公の「現在」の「探検」と、主人公が南極に行くまでの「過去」の「回想」を交互にプレイする形でゲームは進行します。

「現在編」ではイギリスの南極基地へ向かう途中で飛行機が不時着。助けを求める為に近くにある他国の南極基地へ向かうが、どこに行っても無人状態で誰もいない。なぜ誰もいないのか?南極で遭難した主人公達に助けは来るのか?が主題となり、「過去編」では主人公が同じ大学に勤務している女性講師との恋愛模様となぜ彼が南極へ向かうことになったのか、が描かれていきます。

「南極の利権を巡る国家間の紛争」と書くとスペクタクルな冒険譚を期待してしまうかもしれませんが、あくまでも一人の大学講師の視点で物語が進行するため、そこまで大掛かりなストーリーはありません。エンディングもあっさりしたものだし。
「ゲーム性」としては会話シーンの途中で表示される、「配慮」「熱烈」「素直」等々の主人公の感情を表現するマークを選択するだけ。
選択肢によって多少変化はあるものの、ストーリーの流れが変わることはないので人によっては「ムービーゲー」と捉えるかもしれません。
それでもこのゲームを紹介するのは「ビジュアル」と「演出」が素晴らしいから

特に場面転換の演出は突出して目を見張るものがあり、「南極の吹雪の中を歩く→街の駅前を歩く」「南極基地で機械が電気を発して慌てて手を離したシーンが、そのまま熱いやかんに触れてしまって思わず手を離したシーンへと移行」等々、この凝り方には驚嘆、感動で勉強になりました。

この演出を見るだけもゲーム開発者なら購入する価値はあります。ゲーム自体は4時間弱ぐらいで終わりますが、新鮮で勉強になる素晴らしい作品なので一度チェックしても損はないと思います。

DORotateメソッド

UnityでGameObjectをくるくる回転させたいときには、Updateで角度をセットするか、DOTweenを使って回すかの二択となっている方は多いと思います。

私も多分に漏れずどちらかを採用するのですが、角度指定が簡単だったり、DelayやEasingの指定もできたりと汎用性の高さでDOTweenを選択する方が多いです。だがしかし、DOTweenでDORotateメソッドを使って「右回り」or「左回り」の狙った方向に回転させようとすると、毎度苦戦するので今回はそのお話。

DORotateメソッドではデフォルトの場合、指定された角度に対して最短で移動できる方向に廻る指定となっている為、例えばオブジェクトを一回転させるようと指定角度にVector3(0,360,0)なんて指定すると、0°→360°の最短は「回転しない事」となるので、動作させるとピクリとも回転しません。
その為、そういった場合にはDORotateメソッドの第三引数にRotateMode.FastBeyond360の指定をする事になります。

このRotateMode.FastBeyond360を使うと、例えば20°から360°へ回そうとした場合には「20°→180°→360°」の方向へ廻り、デフォルトのRotateMode.Fastへ指定を戻せば「20°→0°」の方向へ廻るので、一見するとこれで「右回り」or「左回り」の回転が出来そうに思えます。

RotateMode.Fastで20°から360°へ回転した場合

 

RotateMode.FastBeyond360で20°から360°へ回転した場合

 

しかしRotateMode.FastBeyond36はあくまで一回転以上させる為に「360°を超えて最短」を示すパラメターなので、回す方向を指定しているわけでは有りません

この為、例えば340°から360°へ回そうとした場合には、RotateMode.Fastを指定しようがRotateMode.FastBeyond360を指定しようが回る方向は同じになります。

RotateMode.Fastで340°から360°へ回転した場合

 

RotateMode.FastBeyond360で340°から360°へ回転した場合

 

このようなケースで逆方向に回転させたい場合には、指定角度にVector3(0,360,0)ではなくVector3(0,0,0)を指定する事で対処します。

RotateMode.FastBeyond360で340°から0°へ回転した場合

任意の角度から180°への回転

指定角度が360°もしくは0°の場合では上記の方法で「右回り」or「左回り」が指定できそうですが、半回転(180°)のケースではどうでしょう?
こちらの場合、初期角度が200°で180°へ回転させたいケースでは、RotateMode.Fastを指定しようがRotateMode.FastBeyond360を指定しようが回る方向は同じ結果となります。

 

では指定角度を-180°とした場合はどうでしょう?

RotateMode.FastBeyond360を指定しても逆方向へは回らず、一回転+20°の回転となる結果に・・・

うーん、どうしたものか・・・

 

WorldAxisAdd

色々試してみましたが、結論としては角度指定は諦め、RotateMode.WorldAxisAddにて回転角度を指定する方法で「右回り」or「左回り」の指定を行う事にしました。

このRotateMode.WorldAxisAdd「ワールド軸に対して」何度回転させるか、を指定するためのパラメータで、例えばY軸基準で200°から180°へ回転させたいケースではVector3(0,340,0)と指定すると

このような回転となり、逆にVector3(0,-20,0)と指定すると

先程とは逆方向に回転させることが出来ます。

角度が指定できないのは難点ですが回転方向を指定したい場合にはこの方法が確実だと思います。

 

最後に宣伝

というわけで数学的迷宮脱出ゲーム「W.T.」、アーリーアクセス版リリース中です。
ストーリー全5章中4章までを遊ぶことができます
完成版は来年春リリース予定ですが、アーリーアクセス版の感想を完成版にフィードバックして行きたいので、何卒ご協力の程、よろしくお願いいたします。

store.steampowered.com

【ゲーム制作】デジゲー博2023に出展した感想と反省

急激に冬

予兆を見せない急激な気温の変化に衣替えが間に合わず薄手のブランケット一枚で寒さをしのいでいる皆さんこんにちは。急に寒くなりすぎ、秋はどこに行った。
本来なら先週末辺りで暖房器具一式とセーター類を押し入れから出しておくべきでしたが、何せ先週はデジゲー博の出展準備でバタバタしていたので冬支度の時間が足らず、今は凍えながらこの記事を書いてます。

 

デジゲー博2023

そう、先週の日曜日(11/12)はデジゲー博2023の開催日でした。デジゲー博は数あるインディーゲームイベントの中でも歴史あるイベントで、秋葉原UDXの2Fと4Fの2フロアで開催される大規模な展示会イベントです。トップの写真は前日、下見の時に取った写真です。

digigame-expo.org

Stab of Bee Projectとしては7月に開催された東京ゲームダンジョンに続く二回目の出展となります。
今回も現在アーリーアクセス版リリース中の数学的迷宮脱出ゲーム「W.T.」のデモ版を展示させてもらいました。

 

上記の写真は当日ブースの様子です。デジゲー博では「1スペース辺り長机の半分」という割り当てで、且つ机の奥行も(想像以上に)あまり余裕がないものだったので、東京ゲームダンジョンの時と比べてかなりコンパクトに纏めた配置となりました。
加えて用意していたモニターアームが使用禁止(机を傷付ける恐れがあるため)という事で机に直置きせざるを得ず、お客さんからすると随分低い位置にモニターがあって見ずらいものだったと思います。

他のブースを見ると折り畳みのモニタ台を用意しているサークルが殆ど、且つポスタースタンドも机の上ではなく、ブースの後ろで掲げられるような大きなスタンドを用意されていて、ここら辺は下調べが足らなかったなぁ、と反省しました。

また、自分の配置された場所から眺めてみると、机一個分=2スペースを借りて展示しているサークルが多かったように感じました。配布物の少ない私のような所でも手狭に感じていたので、それなりに配布物を用意するサークルでは2スペースを借りるのが必須なのかもしれません。
(1スペースでも網目ボード等を利用して縦にスペースを作り、色んな配布物を展示しているブースもありました)

 

イベントの様子

イベント当日は秋葉原という場所もあってか非常に大盛況で、通路が渋滞して人が通れなくなる程でした。展示した「W.T.」にも関心を寄せてもらえる事が多く、「これはどんなゲームですか?」「タイトルにはどんな意味があるんですか?」「ストーリーはどんな話ですか?」等々、積極的に質問される方が多かった印象です。

東京ゲームダンジョンでは開場から30分ぐらいはお客さんも様子見の方が多く、徐々に試遊される方が増えていったのですが、デジゲー博では最初から試遊版のコントローラーを手にして遊んで頂けたので少しビックリしました。
(何人かの方に「雰囲気が良いですね」「スタイリッシュですね」と褒めて頂き、大変励みになりました。ありがとうございます。)

試遊される方がほぼ途切れる事がなかった為、他ブースに遊びに行くことはできなかった(写真撮影をお願いする間もなかった)のですが、自作のゲームを目の前で遊んでもらえて、リアクションをもらえるという事が非常に嬉しく、且つ楽しくて参加してよかったと心から思えました

また、直にお客さんの操作を見ることで自分では気づけなかった問題点を多く発見できて、技術的にも知見が広がる結果になったと思います。

 

今後に向けての反省点

今回は東京ゲームダンジョン用のデモ版を少し変更して展示したのですが、その変更部分のウケが悪く、イベント途中からその部分をスキップして遊んで貰いました。
W.T.」というゲームの雰囲気を知ってもらう為に、フレーバーテキスト&それに関連した数学パズルを用意したのですが余り意図が伝わらなかったようです。

フレーバーテキスト

それに関連した問題

 

問題は少し難易度高めなんですが、ステージ内を歩き回ると答えのヒントがあり、それを探してほしい、という意図でしたが、「フレーバーテキストの内容が伝わらない」&「パズルとの関連が理解してもらえない」事が多く、ステージ内を廻ってヒントを探すまで至らないので、ここら辺は分かりやすいガイダンスを用意するか、もっとダイレクトに伝わる問題を用意すべきだったなぁ、と思います。

 

配布物に関しては東京ゲームダンジョンではクリアファイルを70部程用意するも2時間弱で全てなくなるという事態になったので、今回は倍の140部を用意しましたが、こちらも2時間半程度で配布し終えてしまい、声かけ&試遊版への誘導が難しくなってしまいました。

配布したクリアファイル(紙製)

 

クリアファイルは「クリアファイルです。物が入れられて便利ですよ」と声をかけると大抵貰ってもらえるので、気前よく配りすぎたのが原因ですが、部数をもっと用意するかペース配分を考える必要がありそうです。
隣のブースの方にお話を伺ったところ、フライヤーは全部で400枚用意したそうです。(それも終了前には配り終えていた)

次の出展は(開催されれば)来年、地元福岡でのイベントになりそうですが、その時は今回の反省点を生かしてより良いブース運営ができるよう工夫していきたいと思います。

試遊してもらえた方に配った名刺(こちらは余った)

 

宣伝

今回展示した数学的脱出ゲーム「W.T.」は現在アーリーアクセス版リリース中です。

store.steampowered.com

今回の結果を受けて、ゲーム内容をもう少し難易度を下げる方向で改修することにしました。
よって製品版のリリースは予定(2024年4月)より少し伸びるかもしれませんが、アーリーアクセスとしてリリース済みの箇所については随時更新して行く予定なので、何卒宜しくお願い致します。

 

【ゲーム開発】デジゲー博出展準備中

初タイトル

クラブ創設以来ずっと応援していたチームが初タイトル獲得で浮かれ気分な皆さんこんにちは。決勝戦前日から緊張とネガティブな妄想を繰り返して色んなものが手につかなかったのですが無事に勝つことが出来てホッとしています。
昇格降格を繰り返してタイトルに疎遠だったチームが、滅多に訪れない貴重なチャンスをキッチリと物にした姿は本当に長い間クラブを応援して良かったと思える瞬間でした。私もこれにあやかって大きな目標が達成できるよう、今後一層ゲーム作りに励みたいと思います。

 

デジゲー博

決勝の試合はスタジアムで見たかったのですが、何せその次の週に東京に行く予定で、2週連続で東京を往復するほどの余裕は時間的にも経済的にもない為、泣く泣く観戦をTV観戦に切り替えて、試合後は東京行きの準備をしていました。

そう、来週11/12(日)はデジゲー博開催日なのです。

digigame-expo.org

デジゲー博は今回で11回目となる歴史あるインディーゲームの展示・頒布のイベントです。当日は秋葉原UDX2Fのアキバスクエアと4FのUDXギャラリーで開催されますが私は2FアキバスクエアのB-18bスペースで、現在アーリーアクセス版がリリース中の「W.T.」を展示することになりました。

入口から入ってすぐ横

 

展示会への出展は今年7月の東京ゲームダンジョン以来となります。
東京ゲームダンジョンでは展示会用のデモ版を作成して展示したのですが、初めての出展という事もあり、出展用の機材を揃えたり配布物を発注したり等色んな準備作業を並行して行っていたため、デモ版は細部を詰めきれず不完全な状態での展示となっていました。

今回は準備作業に余裕があったので、デモ版の改良に時間を割く事が出来き、「W.T.」本体の持つ色んな要素をデモ版の中に詰め込むことが出来たと思います。



例えば、一瞬で背景が切り替わったり

 

ループする回廊だったり

 

場所によって見えるものが異なる窓

 

など等、謎解き・パズルよりゲームの雰囲気を味わってもらう方向で修正を行いました。
ついでに短めなフレーバーテキストも用意

 

配布物は前回と同様に紙製のクリアファイルと変わらないのですが(デザインも同じ)、一応、名刺も作成しました。

 

一人で参加するので、きっと他のゲーム開発者さんと交流をする機会は少ないと思いますが、前回は名刺をもらっても何もお返しできずにいたので、取り合えず用意しています。
まぁ、余る場合はクリアファイルに挟んで配っても良いし。

色々不安もありますが、とにかく当日はより多くの人にこのゲーム「W.T.」を周知してもらえるように頑張りたいと思います。

 

宣伝

というわけで数学的迷宮脱出ゲーム「W.T.」、アーリーアクセス版リリース中です。
ストーリー全5章中4章までを遊ぶことができます
完成版は来年春リリース予定ですが、アーリーアクセス版の感想を完成版にフィードバックして行きたいので、何卒ご協力の程、よろしくお願いいたします。

store.steampowered.com

youtu.be

【Unity】SkyBoxの影響を受けずにオブジェクトの色をキープしたい場合の対処

秋の花粉症

毎年この時期になると鼻水、鼻詰まりが酷くなるので秋の花粉症に違いないと思いつつも、確かめるのが怖くて病院にいけない皆さんこんにちは。もうずっと点鼻薬のお世話になりっぱなしなんですが、使い過ぎると薬が効かなくなるらしいので3~4時間を間を空けて使わないといけない。まぁ、それでも鼻詰まりの不快感に負けて使ってしまいますが。

 

SkyBox

UnityにはSkyboxという便利な機能があって、空の景色などの遠景をマテリアルを使用して設定することができます。
ゲームの世界を構築するには欠かせない機能なんですが、遠景を司るという事もあってSkyboxで表現されるテクスチャやマテリアルの色はゲーム内環境光の色としても反映されるため、無作為にSkyboxを選んで変更したりするとオブジェクトの色もその影響を受けて変わってしまいます。

デフォルトのSkyboxの場合

オレンジ色のSkyboxの場合

 

リアルな表現を目指すゲームならSkyboxの色味が反映される事は有難いと思うのですが、カジュアルゲームのようにリアルな表現よりもカラーデザインを優先させたい場合はちょっと困った事になります。

背景が勾配のない単色で良いならCamera側のClearFlagsの設定を「Solid Color」に変更するだけですが、グラデーションを付けたり、雲や山などの遠景を背景に使いたい場合にはどうしてもSkyboxを使う必要があるので、そういった時には環境光(Environment Lighting)の設定を変える必要があります。

 

Environment Lighting

環境光の設定はメニューから「Windows>Rendering>Lighting」を選択して表示されるLightingエディタ画面の「Environment」タブにあります。

 

デフォルトでは「Environment Lighting」の「Source」欄に「Skybox」が設定されていると思うので、これを「Color」に変更し「Ambient Color」で白系の色を指定します。

この設定に変更すると

デフォルトに近い状態に戻りました。

この設定でもオブジェトは「Ambient Color」の影響を受けるので、オリジナルの状態と差が出てくるかもしれません。

そういった影響を全く受けたくない場合は、上記のLightingエディタ画面で設定しているSkyboxのマテリアル指定を削除し、Camera側にSkyboxのComponentを追加、そこのマテリアルにSkyboxのマテリアルを設定して下さい。

カメラ側にSkyboxコンポーネント設定

SkyBoxの影響を受けずにオブジェクトのカラーを表示することができます。

ただし、この場合はカメラ毎にSkyboxコンポーネントを指定する必要があります。

 

宣伝

数学的脱出ゲーム「W.T.」早期アクセス版リリース中です。
歯ごたえのある脱出ゲームとなっているので腕に自信のある方のチャレンジ、お待ちしております。

store.steampowered.com

【アセット紹介】お手軽に図形を描画して動かす事ができるShapes

相変わらずなのにフルプライス

新作を発表するたびに「進化したゲームプレイ云々かんぬん」「よりリアルサッカーに近づいた云々かんぬん」という宣伝文句を掲げてはいるものの、購入している側にはさっぱり伝わらないゲームを購入した皆さんこんにちは。

毎度毎度、チームと選手データが最新版に入れ替わっているだけの印象なんですが、取り合えず「ゲームプレイ」を語る前に、分かりずらいメニュー画面とUIをいい加減改良してください。あのメニュー画面から初見ですんなりゲームを始められる人はニュータイプを名乗って良いと思います。

 

手軽な図形描画

前回のunity1weekの振り返り記事でも紹介しましたが、ゲーム空間に円、線、矩形といった図形のオブジェクトを作ることができるアセットを最近購入しました。

assetstore.unity.com

アセットを購入せずともこういったプリミティブな図形は線ならLine Renderer、円、矩形ならSprite,ImageといったUnityの標準機能を使っても表示することはできます。
しかし、このアセットでは図形を作るための様々なパラメータをInspector上から変更できる為、ゲームに必要な図形を調整しながら作成することができます。

例えば線を描画する場合、Hierarchy上で右クリック→Shapes→Lineを選択すると

ゲーム空間内にLineのオブジェクトが作成されますが、

Inspectorを確認すると

これだけのパラメータが設定できることが分かります。
これらはゲームを実行しなくても即時にLineオブジェクトに反映されるので、エディタ画面上で始点/終点を変えたり、太さを変えることで細かい調整を行うことができます。

始点/終点/太さの変更

 

また、Lineに関しては「エンドキャップ」や「Dush(破線)」がオプションとして用意されているので、それを指定して「丸キャップ付きの破線」みたいな線も簡単に作成することが出来ます。

丸キャップ指定・ダッシュ指定

 

作成することができる図形は2D形状なら「線、PolyLine、長方形、正多角形、円、Polygon」があり、3D形状なら「球、ドーナツ、円錐、直方体」を作ることが出来ます。

作成できるオブジェクト一覧

 

プリミティブな図形を作るだけなら従来通りにSprite,Imageを使ってもよいかもしれません。
しかしSpriteやImageの場合、それを拡大すると元の画像の解像度によりエッジ付近のギザギザが目立つという問題が発生します。
このアセットでは作成する図形に高度なアンチエイリアシングが掛けられている為、図形を拡大してもエッジのギザギザは目立たず、綺麗に表示することができます。

サイズを大きくしてもエッジが目立たない

 

スクリプトによる変更

このアセット「Shapes」を利用する最大の利点は、上に紹介したInspectorから設定する項目をスクリプト側から変更できる、と点にあります。
この為、DOTweenのTo関数や、DOVirtual.Float関数等を使えば図形の形状を動的に変更することが簡単にできるようになります。

 

Shapes」で扱う事ができる各図形のプロパティやその効果、またイミディエイトモードでの描画については公式のドキュメントページが用意されているのでそちらを参考にしてください。
元は英語ですが、(自動で?)日本語に翻訳されるので非常にわかりやすいです。

acegikmo.com

実際にDOTweenを使って「Shapes」の図形を変化させるデモを作ってみました。

途中の四角形から八角形→円形に変化させている箇所は少し手間が掛かりましたが、他は値を変化させるだけなのでトータルで4~5時間ぐらいの作業で作ることができました。

 

最後に

ストアページを確認すると分かりますが、このアセットは高額なアセットの部類に入ります。ストアで頻繁に行われているセールでも対象になっている事はあまりないので、購入には慎重になるかと思いますが、それでも価値のあるアセットだと思います。

ただ、このアセットで作られるオブジェクトは基本的に3D空間上に作られるので、UIの一部として使用したい場合は注意が必要です
特にScreen-Space OverlayのCanvas上には作成できないので、UIとして使用する場合にはScreen-Space CameraかWorld SpaceのCanvasを用意して、その配下で作成して下さい。

 

宣伝

数学的迷宮脱出ゲーム「W.T.」は現在早期アクセス版をリリース中です。
来年春に製品版をリリース予定ですが、ゲームコントローラー対応には既に対応済みとなっています。(やっとリリースできた)

Windows,Macどちらも取り揃えているので、チェックお願い致します。

store.steampowered.com

【雑記】Unity1weekを振り返る

只より高い物はない

インボイスとかunityのライセンス料変更の件を見て、一度無料だと認識されるとそれ以後にお金を得ようとするとヒステリックな反撃を浴びる、という事を学んだ皆さんこんにちは。負担ゼロに群がる層はトコトンまで負担ゼロに固執するという事でしょうか。曖昧だった税負担を明確化されると困る方々が多い事は分かりましたが、自分の不利益を「この制度で日本のサブカルチャーが潰れる~」とか「最終的には消費者全員が困窮する~」とか大きな主語で覆い隠す言説は不愉快で理解されないので止めた方が良いと思います。

 

ソウルライクなソウルライクゲーム

今年に入ってから所謂「ソウルライク」と呼ばれるゲームがインディーゲームスタジオからも続々発売されるようになりましたが、本格的にフロムゲー好きに贈る「ぼくのかんがえたさいきょうのダークソウル」を体現したゲームがつい先日発売されたのでフロムゲーが好きな私も多分に漏れず購入しました。

ストーリーはピノキオを題材としていますが、ゲームシステム及び操作感はSEKIROを踏襲しており、世界観はブラッドボーンがベースになっていると思われ、ソウルライクという形容詞以外に言葉が見つからないほどのソウルライクゲームとなっています。

登場キャラクターは韓国ゲームらしく癖のない美形キャラで、ゲームの舞台は細部まで作りこまれたベル・エポック時代のダークかつエレガントな背景に立体感のある攻略ルートが複数構成されており、非常に遊びごたえ、攻略しがいがある内容だと思います。
ボスや頻繁に登場するエリートエネミー(強モブ)は動きを見極めやすいものの非常に硬く、倒すためには同じ操作をミスせず繰り返さないといけないので少しダレますが、それを踏まえてもフルプライス(8,000円以上)で購入する価値はあるではないでしょうか。

 

Unity1.57Week

先々週からunityroomにて開催されているUnity1weekですが、いつもの如く製作期間内は間に合わなかったもの、なんとか評価期間の間に提出することができました。

unityroom.com

お題が「1ボタン」という事で、以前からリズムゲームを作ってみたいという願望もあり、丁度「1ボタン」=「1操作」で完結できるし、丁度シルバーウィークだし、という事でチャレンジしてみました。

 

今回は「できるだけシンプルに、かつ動きのある絵作り」という事をテーマに掲げてデザインしてみましたが、開発時間が製作期間内に収まらず当初の想定から規模を大幅に縮小して完成の運びとなりました。

上のリンクから遊んで頂くと分かりますが、ゲームのプレイ時間は1分半の非常に短いゲームとなっています。

当初は全2,3ステージでサイドビュー、トップビューに加えて3D視点からのプレイも構想しており、登場するギミック(ノーツ)の種類も多い予定だったので口惜しい限りです。

 

使用したアセットについて

今回はノーツが移動してくるタイプのリズムゲームだったので、BGMと連動してノーツが開くタイミングと、ノーツが移動する時間、クリックタイミングを示すノーツの色が変わる時間等を各ノーツ毎に計る必要があったので、Koreographerというアセット使用してそれらのタイミングを計っています。

assetstore.unity.com

お値段が少し高めですが、使用する楽曲の波形を見ながらイベントを発行するタイミングを設定できるし、楽曲データの音の強弱等を線形データ化することができたりするので非常に有用です。

サンプルシーンでは典型的な音ゲーを実装しているシーンもあるので、そちらを参考にしながら音ゲーを作ることもできます。
ここら辺の使い方については下の記事にまとめているので興味のある方は覗いてみて下さい。

www.karvan1230.com

また、ゲームに登場するノーツは全てShapesというアセットを使用して構成しています。

assetstore.unity.com

こちらはゲーム空間に円、線、矩形といった図形のオブジェクトを作ることができるアセットで、スプライトや3Dモデルを使用せずに図形を表現できる分、軽量かつ綺麗にオブジェクトを表示することでき、図形の変形といった動作もDOTweenと併用すれば簡単に作ることが出来ます。

こちらもかなり高額アセットですが、その分かなり有用なので、次回にでも記事にして紹介したいと思います。

 

プレイ動画

最後に今回作成したゲームのプレイ動画を作成しました。

動画の通り非常に簡単でサクッと遊べるゲームとなっているので、興味のある方は上記のuntiyroomへのリンクから遊んでみて下さい。

youtu.be

 

宣伝

数学的迷宮脱出ゲーム「W.T.」は現在早期アクセス版をリリース中です。
近々ゲームコントローラーにも対応予定ですのでよろしくお願いいたします。

store.steampowered.com

【雑記】何度目かの終わらないUnity1week

闘争を求めない身体

激しい予約合戦の末、なんとか購入したiPhone15を自慢してくる同僚を前に、新型iPhoneの発売自体知らなかった皆さんこんにちは。元々AndroidユーザなのでiPhoneの動向にはあまり興味が無いのですが、シェア的にiPhoneが6割強を占めている日本では新型発売の波に乗れないのは時代に取り残されるのと同義のようです。
同僚曰くなんと今回は「電話アプリの通話終了ボタンの位置が変更されてちょっと不便」だそうで、知らんがな。

 

デジゲー博

今年の春夏は東京ゲームダンジョンへの出展に右往左往していましたが、調子にのって11/12に開催されるデジゲー博2023に出展することになりました

digigame-expo.org

デジゲー博は2013年から年に一回開催される同人ゲーム、インディーゲームの展示・頒布のイベントで、今年は秋葉原UDXで行われます。2Fのアキバスクエアと4FのUDXギャラリーの2会場に分かれているのですが、私は2Fアキバスクエアのスペース「B-18b」にて出展できる事になりました。

 

東京ゲームダンジョンに続いて3D脱出ゲーム「W.T.」を展示する予定で、東京ゲームダンジョンで展示した試遊版を幾点か変更し、配布物の種類を増やすつもりでいます。特に試遊版についてはアピール不足な点があるので、本編への誘導を高めるようなバージョンへブラッシュアップして望みたいと思っているのでよろしくお願いいたします。

 

store.steampowered.com3D脱出ゲーム「W.T.」は現在アーリーアクセス版をリリース中で近々ゲームパット対応したバージョンへ更新予定です。

 

Unity1week

「W.T.」のバックアップ予定が「近々」としか書けないのは、現在Unity1weekに挑戦中で制作期間が過ぎても完成せず、未だ作業中だからです。

unityroom.com

Unity1Weekとはunityroomというサイトで開催されている「お題に沿って一週間でゲームを作ろう」というイベントなのですが、その(制作期間の)一週間が過ぎても私の方は制作期間継続中のため、他の作業に手が回せない状況となっています。

このAA貼り付けるの何度目だろう・・・

 

今回はシルバーウィークでの開催でいつもよりは時間があるので間に合うと思ったんですけどねー、全然終わらない。
逆に毎回一週間で仕上げて投稿している人はどうして間に合うんだろうか?コツがあるなら教えてほしいものです。

頑張ります。

 

◇プライバシーポリシー

●個人情報の利用目的

当ブログでは、メールでのお問い合わせ、メールマガジンへの登録などの際に、名前(ハンドルネーム)、メールアドレス等の個人情報をご登録いただく場合がございます。

これらの個人情報は質問に対する回答や必要な情報を電子メールなどをでご連絡する場合に利用させていただくものであり、個人情報をご提供いただく際の目的以外では利用いたしません。

●個人情報の第三者への開示

当サイトでは、個人情報は適切に管理し、以下に該当する場合を除いて第三者に開示することはありません。

・本人のご了解がある場合
・法令等への協力のため、開示が必要となる場合

個人情報の開示、訂正、追加、削除、利用停止
ご本人からの個人データの開示、訂正、追加、削除、利用停止のご希望の場合には、ご本人であることを確認させていただいた上、速やかに対応させていただきます。

アクセス解析ツールについて

当サイトでは、Googleによるアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を利用しています。

このGoogleアナリティクスはトラフィックデータの収集のためにCookieを使用しています。このトラフィックデータは匿名で収集されており、個人を特定するものではありません。
この機能はCookieを無効にすることで収集を拒否することが出来ますので、お使いのブラウザの設定をご確認ください。

●免責事項

当サイトからリンクやバナーなどによって他のサイトに移動された場合、移動先サイトで提供される情報、サービス等について一切の責任を負いません。

当サイトのコンテンツ・情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、誤情報が入り込んだり、情報が古くなっていることもございます。

当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

●プライバシーポリシーの変更について

当サイトは、個人情報に関して適用される日本の法令を遵守するとともに、本ポリシーの内容を適宜見直しその改善に努めます。

修正された最新のプライバシーポリシーは常に本ページにて開示されます。