原カバンは鞄のお店ではありません。

Unityを使ったゲーム制作のあれこれを綴っていきます。

【Unity2018.3】ビルドが「Building scene ~」から進まないので困った話(Android)

『コーラを飲むと骨が溶ける』って誰かが言ってた

社会人になって最初のころ、右も左も分からない私を根気よく指導してくれて信頼を寄せていた会社の先輩に「重要な話がある」と呼び出されたので行ってみると、ダイヤモンドのセールスマンを紹介されて危うく15年ローンを組まされそうになって以来、他人の話を安易に信じない、例えば『炭酸水を飲むとお腹が空く』みたいな似非科学話に対して「言われてみると、そんな気がしないでもない・・・」とかアホみたいに受け入れるのは止めようと自分を戒めるようになったのですが、やっぱり人間切羽詰ってくると藁にもすがると言うか、すがれるものなら何でもすがりたくなる様で、今回の記事はエラー原因がちっとも分からないけれどネットでそれっぽい話があったので試してみたら案外上手くいったよ、って話。

 

前回の続きから

前回の記事で、Unity2018.2からUnity2018.3へバージョンを上げたらコンソールにエラーが出たという話を書いたのですが、

 

www.karvan1230.com

そのエラーをアレコレで改修した後、Andorid機でテストしようとビルドしてみると・・・

 

「Building scene 4: Credit」の表示とともにビルドのプログレスバーが全く進まない

 

最初は「バージョンアップした一発目のビルドだから時間が掛かるのかな?」とか根拠のない楽観論でビルドが終了するのを待っていたのですが、

 

一時間経過・・・

f:id:Karvan:20190116001150p:plain

 

二時間経過・・・

f:id:Karvan:20190116001150p:plain

 

三・・・

f:id:Karvan:20190116001258p:plain

もうだめだ!待てない!⇒ビルドキャンセル

 

といわけで対処法を探りました。

 

止まっているわけではないらしい

例によって例のごとくGoogle先生に尋ねてみるとそれっぽい記事を紹介されました。

 

ikosami.hotcom-land.com

で、上記の記事によると「GI(Global Illumination)というのが異常に時間がかかり・・(中略)・・ビルドが止まっているのかと思うほど全然進まなくなります。」と書かれている。

 

GI(Global Illumination)とはライティングの機能で、シーン内のオブジェクトに対して光源からの反射光を考慮した光の様子を再現するという機能です。
例えば青い立方体に白い光を当てたらその反射光で周りが少し青くなる、みたいな状態を表現する時に使用されます。

 

この説明だけを聞くと、ビルドが止まったかのように進まない(進んでいるけどすごく遅い)のも分かるのですが、ここで疑問となるのは、止まってている(ように見える)scene 4: Creditには3Dオブジェクトが存在しない、という事です。

 

ええ、シーン名が「Credit」となっていることから分かると思いますが、当該のシーンはTextを表示するのみで光の影響を受けるような3Dオブジェクトは一つもありません。

 

f:id:Karvan:20190116001536p:plain

 

こんな感じの画面。黒バックに白い文字が表示されるだけの画面です。

 

ないからこそ逆に・・・

このGI(Global Illumination)の設定はデフォルトでONとなっているので何もしていない場合は必ず適用されます。


GIが適用されるとビルド時に光の影響を計算してテクスチャに書き込む処理が動くのですが、3Dオブジェクトが何もない空間でライトだけ設定されている場合、光の影響範囲が無限に大きくなって計算に時間が掛かるのではないか?・・・と上記の記事を読んで全く根拠のない推測を立てる私。

 

90%ぐらいは"(原因が)そうであってくれ"という願望が占めているのですが、何はともあれ、藁にもすがる思いでGIの設定をOFFに変えました。

 

OFFにするにはMenu からWindow->Lighting を選ぶとLighting Window が開くので、

 

f:id:Karvan:20190116001725p:plain

 

ここのRealtime LightingとMixed LightingのBaked Global Illuminationチェックを外します。

 

Unityのマニュアルを参考にするとMixed Lightingの設定をOFFにすれば良いだけの様な気もしますが、今回のシーンではそもそも光の影響は受けないのでどちらもチェックを外しました。

 

で、この状態でビルドを再実行すると・・・

 

f:id:Karvan:20190116001926p:plain

ビルドが数分完了!!あ~、よかった。。。

 

一応解消された

上記の対応でビルドが進まない、という現象は解消されたましたが、そもそもUnity2018.2では同じ設定でもビルドは進んでいたので、これはUnity2018.3独特の現象なのかもしれません。

 

また、3DオブジェクトがないからGIに時間が掛かる、というのも私の勝手な推測なので正しいかどうか分かりません。

 

ただ、GIをONにするとビルドに時間が掛かるだけでなく、アプリサイズも大きくなるそうなので、見栄えが少し変わることに問題がなければ通常のシーンでも切ったほうがよいと思います。

 

といわけで、次回からはいよいよリリース間近の「Dull Things No Life」の紹介をしたいと思います。

 

 

 

【Unity】Unity2018.3へアップデートしたらエラーが出た(何度目だ)

年末年始はほぼニート生活

明けましておめでとうございます。ちなみに年が明けてこの挨拶をするのはこのブログが初めてです。なんせ人と会ってなかった。

というのも、私の勤めている会社では年末が12/27で締め、年始は1/4が休みとなっていたので今年の年末年始の休みは10連休もあったのですが、私はそのほぼ全てを部屋で過ごすという仮想ニート生活を謳歌していました。

あまりに部屋から出ないので新年早々、父親からダメ人間判定をされるなど過酷な出来事を乗り越えつつ、PCとPS4に立ち向かう怠惰な日々をダラダラと過ごしていました。今年もよろしくお願いいたします。(←この挨拶も今年初)

 

Unity2018.3へアップデート

さて、年末話題になった某レコード大賞の楽曲のように認知度や知名度、浸透度よりも誰も知らなくていいから売上だけはミリオンを達成したいという気持ちで10連休の殆どはゲーム製作に費やしていたのですが、その途中、そういえばUnity2018.3にアップデートしていなかったことを思い出して、それまで使っていたUnity2018.2からUnity2018.3へアップデートする作業を行いました。

 

Unity2018.3ではPrefabの編集機能やタイルマップ機能の追加など、Unity2018.2と比べて多くの機能の追加と処理の改善が行われているようなので「多少コンバートに時間が掛かるかも」とは思いつつワクワクしながらアップデートしたのですが、見事に目論が外れました。

 

だが、しかし・・・

 

振り返るとUnityのアップデート時には度々トラブルが起こっていてこのブログでも度々記事に書いてきました。

 

www.karvan1230.com

www.karvan1230.com

ただUnity2018.2になってからは内部アップデートは頻繁にあるものの、これといったトラブルが起きなかったのでこの時は完全に油断していました。裏を掛かれたとはこのことです。

 

Unity2018.3のインストールが終わり、プロジェクトを起動したらコンソールに以下のエラーが発生

 

f:id:Karvan:20190108223028p:plain

[Physics.PhysX] RigidBody::setRigidBodyFlag: kinematic bodies with CCD enabled are not supported! CCD will be ignored.

 

なんだこれ?

 

Google先生から得た答え

エラー内容から察するにRigidBodyコンポーネントのオプションにあるiskinematicオプションが関係しているようですが、詳しいことはチンプンカンプン。なにせUnity2018.2では問題なく動いていたんですからね!!

 

怒っても仕方ないのでエラーメッセージについてGoogle先生に尋ねてみるとUnity2018.3では物理演算の処理が大きく変わった事による影響で、iskinematicオプションをONにしている場合、Collision Detectionオプションの設定を「Discrete」にしないといけないようです。

 

これまでCollision Detectionオプションの設定はデフォルトで「Discrete」となっていたので特に問題なかったのですが、Unity2018.3からこのデフォルト設定が変わり、上記の設定を手動で行う必要が出てきました。なんだそれ。

 

なので、RigidBodyコンポーネントをつけていてiskinematicオプションをONにしているオブジェクト全てに対してCollision Detectionオプションの設定を見直すことになるのですが・・・

 

f:id:Karvan:20190108222739p:plain

 

さて、どーれだ

 

元々、行き当たりばったりで作っているのでどのオブジェクトにRigidBodyがあって、その中のどれがiskinematicオプションがONになっているのかさっぱり見当もつきません。アセットストアから購入した物をそのまま使っているオブジェクトもあるし、記憶だけを頼りに見つけ出すのはちょっと骨が折れる。

どうしよう・・・

 

そんなときに使えるツールが!!

GitHubにエラーの原因となっているオブジェクトを見つけるスクリプトが上げられていました。めっちゃ有り難い。

 

https://gist.github.com/Arakade/dc1d6623cafaab07aeee92a8a1cf661f

 

使い方は、まず上のリンクからPhysXCCDEditorHelper.csのをダウンロードするか、コードをCopy&Pasetして作成したらそれをEditorフォルダに格納

 

しばらくするとメニューのTool配下に「UGS」が追加されるのでそれを選択。

 

f:id:Karvan:20190108223205p:plain

 

ウインドウが表示されるので「Find bad PhysX in scene」ボタンを押下

 

f:id:Karvan:20190108223247p:plain

 

すぐに問題のあるオブジェクトの名前が表示されるので、そのオブジェクトのInspectorからCollision Detectionオプションの設定を変更します。

 

f:id:Karvan:20190108223347p:plain

 

このツールは現在表示しているシーン内のオブジェクトのみチェックするので、プロジェクト内に複数のシーンがある場合には各シーン毎にツールを起動してチェックする必要があります。

ただ、このツールを使って修正してもエラーが表示される場合は、修正したオブジェクトがPrefab化していないか確認してください。Prefab化している場合はPrefab側の設定も同じように修正する必要があります。

エラーは解消されたものの・・・

これらの作業でコンソールに表示されていたエラーは解消されたのですが、今度はプロジェクトをAndroidビルドする際にまた問題が発生しました。

 

Unityのビルドが「Building scene 0: ~」から進まない・・・

 

いやいや、訳分からん。なにせUnity2018.2では問題なく動いていたんですからね!!(二度目)

 

長くなったので続きは次回の記事で

 

 

【Unity】オープニングシーン作成

寒風吹きすさぶ

「Dull Things No Life」の製作も大詰めということで、この三連休は気合を入れてゲーム作りに励んでいたわけですが、そんな中、近くのコンビニまで夕飯を買いに出かけた帰り道、そういえば部屋の電気をつけっぱなしだったなぁ、なんてことを思いながら自宅のマンションを眺めていたら、7階建てのマンションの中で自分の部屋しか灯りが点いないことに気づいて、そして思い出したんです、ああ、今日はクリスマスイブか・・・って。大丈夫です。別に泣いてません、今日も元気に心も体も寒風吹きすさぶ日々を過ごしています。

 

そんな中・・・

そんな感じで血の涙を流しながら何を作っていたのかといえば、「Dull Things No Life」の初回起動時に流すオープニングのシーンをTimeLineとCinemachineの勉強をしながら作っていました。

 

TimeLineとはオブジェクトやCamera,AudioClipなどを時系列に並べて動かすことの出来るエディタで、Cinemachineとはカメラの動きをいい感じにコントロールしてくれるアセットです。

 

TimeLineはUnityに標準で搭載されています。CinemachineはAssetStoreからダウンロードする必要がありますが、無償なので気兼ねなくダウンロードして使うことができます。

 

どちらもゲームのカットシーンや、映像シーケンスを作るのに非常に有用で、テラシュールブログにもその使用法が度々取り上げられています。私は以下の記事を参考にしながらオープニングのシーンを作っていきました。

 

tsubakit1.hateblo.jp

出来上がり

で、こんな感じのシーンが出来ました。
CinemachineとTimeLineで細かいカット割りが以外と簡単に作れました(とはいえ、3日掛かったけど)

 

youtu.be

BGMにはD’elfさんの「Re_cybernetic」を使用しています。

www.d-elf.com

普段はPCのUnityエディタ上の画面をキャプチャして動画を作成しているのですが、PCの性能がショボイ所為なのか速い動きのある場面をキャプチャするとガタガタになってしまうので、実機(Android端末)で動かした画面をキャプチャして動画を作成しています。

なので画面中にキャプチャソフト(DU Recorder)のアイコンが映りこんでますがご容赦ください。

 

年内リリースは無理だったので、来年1月中にはなんとか・・・

(じゃないと次の予定が立たないし・・・)

【Unity】DoTweenで360度回転したかった。。。

需要が読めない

最近ブームの話題作だ、ということで寒風吹きすさぶ中、わざわざ映画館まで足を運んで「ボヘミアン・ラプソディ」を観て来たました。まぁ、Queenに思い入れも何もない人間なので「感動!」「泣いた!」みたいな絶賛をする気もないし、「クイーンってはさぁ、こんな美談で語るようなバンドじゃないんだよ・・・」みたいなうざい薀蓄を語る気もないのですが、映画ラスト20分のライブシーンは必見だと思います。映画を観た後、実際のライブ映像も観たくなるし。

 


ただ、昼間の回ということもあってか観客が爺さん婆さんばかりでビックリ。あれだよ、ブームってのは若い女性の間とかで流行っているからブームって言うんじゃないですか?シルバー世代とか演歌しか聴かない、とか固定観念に染まっていたので、まさか洋楽ロックが主題の映画を観に行って敬老会の中に混じるような状態なるとは夢にも思いませんでした。学生はおろか同世代の人間も見当たらなかったし。

 

メニュー画面作り

そんな感じで需要もターゲットも読めないような人間が今日もゲーム作りに励んでいるわけですが、「Dull Things No Life」の製作も本編の主要な部分はだいぶ作り終えたので、枝葉となるメニュー画面等々の作りこみ作業へ移ってきています。

 

こんな感じ(前回の記事でも紹介したけど)

f:id:Karvan:20181211195710p:plain

 

そのメニュー画面も上の画像にあるように大体は完成したのですが、左上に見える掲示板みたいな部分、ユーザにいろいろな情報を表示する部分の作りこみで問題が発生しました。

 

表示情報を切り替える

掲示板みたいな部分には、現在の状態やスコア情報等を一定間隔で切り替えて表示しています。(全てテキスト情報)
これは各情報を表示するTextMeshを四角柱型に配置して、それを90度づつ回転することでユーザ側に見える情報を変えています。

 

f:id:Karvan:20181218233821p:plain

この90度づつ回転させる、という機能にはDoTweenのDoRotateメソッドのRelativeオプションをtrueにすることで実装しています。
このRelativeオプションは非常に有用でこれを設定した場合、移動角度を相対的に計算するようになります。


つまり、現在角度からZ軸方向に90度回転させたい場合、

 

// 回転処理
 MessageBoardObj.transform.DOLocalRotate(new Vector3(90.0f, 0.0f, 0.0f), 0.3f)
                                        .SetRelative(true);

 

としてコールすると、オブジェクトの角度は順に0度⇒90度⇒180度⇒270度⇒360度へと回転してくる、はずです。ですが、実際に実行してみる・・・

 

0度⇒90度の場合

f:id:Karvan:20181218234430g:plain

うん、大丈夫

 

90度⇒180度の場合

f:id:Karvan:20181218234501g:plain

OK、OK

 

180度⇒270度の場合

f:id:Karvan:20181218234535g:plain

コレまでとは逆方向に回転、なんでやねん。

 

調べてみるとDORotateは動作として回転方向は指定した角度の近い方へ回転する仕様らしい、例えば270度に回転する場合は、0度から回転して0->1...269->270となるのではなく、360度から回転して360->359...271->270で回転するみたい。

 

つまり、0度⇒360度を90度づつ回転させる場合、全て同じ指定で回転させるのではなく、180度⇒270度の場合は逆方向に回転させないと上手くいかないようです。
なので、コードとしては

 

/// <summary>
/// メッセージ表示処理(順次回転表示)
/// </summary>
private void RotDisp_MessageBoard()
{
    // Indexの設定
    nextIndex++;
    if (nextIndex >= 4) nextIndex = 0;

    if (nextIndex != 3)
    {
        // 回転処理
        MessageBoardObj.transform.DOLocalRotate(new Vector3(90.0f, 0.0f, 0.0f), 0.3f)
                                    .SetRelative(true);
    }
    else
    {
        // 回転処理
        MessageBoardObj.transform.DOLocalRotate(new Vector3(-90.0f, 0.0f, 0.0f), 0.3f)
                                    .SetRelative(true);
    }

}

 

 

と、超ダサいコードに。うーん。。。


ちなみに結果としては

f:id:Karvan:20181218235128g:plain

こんな感じで、上手く一回転してくれるようになりましたが、なんだかなぁ・・・・
 




 

進捗報告

喉痛い

出来るだけ起伏のない平坦な人生を選んできたつもりでしたが自然現象だけはこちらから選ぶことは出来ないので、ここ最近の急激な寒暖差に体がついていけずに風邪をひいて喉がとても痛いです。のど飴を舐め過ぎて舌も痛いし。

 

つまり全然本調子じゃないということで、本来ならDiscont@XR landscape design氏が紹介されていた窓シェーダーについて

 

styly.cc

 

実際に実装してみたアレやコレやを書くつもりでしたが、頭が働かないので今回は進捗報告のみです、ごめんなさい。

 

メニュー画面を作った

そんなこんなで先週から今日に掛けてはずっとタイトル&メニュー画面の作成に従事していました。
出来上がりとしてはこんな感じですが、どうでしょうか?

 

f:id:Karvan:20181211195710p:plain

 

サイバー系ゲームのあるあるで文字やら床やらがやたら発光しております。
「Run」ボタンをクリックするとさらに発光します。こんな感じで

 

f:id:Karvan:20181211195744g:plain

 

年内には完成したいなぁ・・・

 

ブログ開設一周年

早いものでこのブログを開設してから一年がたちました。パチパチ、おめでとう、おめでとう自分。

 

開設当初の予定では1年の間にアプリを2,3本リリースしてアプリの売り上げでウハウハな生活を営んでいるはずでしたが、実際のところはリリースできたのはたったの1本で、アプリの売り上げはほぼ0という惨憺たる結果となりました。

 

次の1年こそはアプリを2,3本リリースして、高級ホテルで両脇に売れないグラビアアイドルを抱えながら夜景を見つつワインを傾けるみたいな豪遊できるぐらいの収入を得たいと思います。ワイン苦手だけど。

 

 

 

 

【Unity】カメラワークによる演出を考える

ふと思い出す

12月に入ったのに気温が高くて全然冬になった気分にはなりませんが、確か昔、このぐらいの時期にひょんなことから足を骨折したことがあって、病院でギブスを巻き、なれない松葉杖をなんとか使いながら自宅に戻る途中で上司に本日は休みを取る旨の電話をしたら、「はぁ?おまえなぁ、有給ってのは病気したとか大怪我したとか、そういう時に使うものだぞ!」ってな感じで延々と説教された出来事を、バカリズムに似た芥川賞作家センセの「いい加減、国に与えてもらった休日に、みんなで一斉に休むとか止めればいいのに」といった高等遊民的なTweetを目にして思い出した今日この頃、私もいつの日か「ゴールデンウィーク?ww、みんな好きなときに好きなだけ休めばいいのにー(鼻ほじー)」みたいなことを言える立場になってみたいものです。

 

減衰・FoV・手振れ

そんな感じで私もナチュラルに上から目線で物を言えるような地位を確立すべくゲーム製作を頑張っている訳ですけれども、アレやコレや試行錯誤していく中で、つい最近では@yoship1639氏の書かれた記事が非常に有用で参考になりました。

 

qiita.com

ゲーム中のカメラワークについての手法に関する記事なんですが、記事の中で紹介されている「Lerp減衰・FoV変動・PerlinNoise手ブレ」を取り入れると、かなりダイナミックが表現が可能となります。

 

それぞれの手法については上記の記事で詳しく書かれているのですが、掻い摘んで説明すると

 

  • Lerp減衰:カメラとカメラの被写体の動きをピッタリ同時にするのではなく、カメラ側が少し遅れて被写体を追随するような動きをさせる手法。これにより被写体の動きが俊敏かつ大きく見える

 

  • FoV変動:カメラの画角(FieldOfView)を変化させて画面をダイナミックに変化させる手法。カメラのProjection(投影方法)がPerspective(透視投影)の場合は特に効果が大きい

 

  • PerlinNoise手ブレ:文字通り「手ブレ」を表現する。カメラを揺らすことで被写体が激しく動いているように見える。アクションゲームとかRPGなどではダメージを受けた時の表現にも使われる。

 

となっています。

 

FoV変動を取りれよう

一般的なレースゲームではマシンにブースとが掛かったり急加速したりするときに、一瞬大きな引きの画になったりしますが、それはカメラの画角(FieldOfView以下、FoV)をあげている為です。

 

FoVを上げるとはカメラに写る範囲を広げる、という意味で、一般的に大きく引いた画を撮るときにこのFoV値を上げて画面に表示される範囲を広く取ります。

 

もちろん、カメラ自体を奥行き方向に移動させて画角を広く取るという手法もありますが、カメラの投影方法がPerspective(透視投影)の場合、このFoV値が大きくなると画面の端に行くほど歪みが大きな画像になり、被写体は引き伸ばされて映し出されます。

逆に中央に行くほど歪みは小さいものになるので、結果、奥行きが強調された画面になります。

 

通常時の画面

f:id:Karvan:20181204223558p:plain

 

カメラを奥行き方向に移動させて画角を広く取った場合(FoV値は変えない)

f:id:Karvan:20181204223630p:plain

 

FoV値を大きくして画角を広く取った場合(カメラの位置は移動しない)

f:id:Karvan:20181204223710p:plain

 

どちらも引いた画になりますが印象はずいぶん違ってきます。

 

実装してみた

FoV変動の実装は簡単でCamera.fieldOfViewの値をスクリプトで徐々に変えるだけです。今回はLerpを使って変化させてみます。

 

Camera.fieldOfView = Mathf.Lerp(Camera.fieldOfView, fov, Time.deltaTime * 2.0f);

 

第二引数のfovが最終的に変化させたいFoVの値です。
Lerpの第3引数にフレーム間の差分時間であるTime.deltaTimeを使い、目標値へ滑らかに変化するようにしています

 

上記の処理後に同じようにLerpを使って徐々に変化させながら元のFoV値へ戻します。
これで、一瞬大きく引いた画になったかと思うと、一気に元の画に戻る、という演出が行えます。

 

public class CameraController : MonoBehaviour 
{
    public float FoVTarget = 145;
    public float DefaultFoV;
    
    void Start () {
        m_Camera = GetComponentInChildren<Camera>();
        DefaultFoV = m_Camera.fieldOfView;
    }
    
    void LateUpdate()
    {
        ZoomControl();
    }

    /// <summary>
    /// ズーム処理
    /// </summary>
    void ZoomControl()
    {
        if (inZoom)
        {
            m_Camera.fieldOfView = Mathf.Lerp(m_Camera.fieldOfView, FoVTarget, Time.deltaTime * 2);
        }
        else
        {
            m_Camera.fieldOfView = Mathf.Lerp(m_Camera.fieldOfView, DefaultFoV, Time.deltaTime * 4);
        }
    }
    
    /// <summary>
    /// FoC変更
    /// </summary>
    void OnFoVChange()
    {
        StartCoroutine(DoZoomEffect(1.2f));
    }


    /// <summary>
    /// ズームエフェクト
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    IEnumerator DoZoomEffect(float duration)
    {
        inZoom = true;
        yield return new WaitForSeconds(duration);
        inZoom = false;
    }
}

  

で、ゲーム中の実際の動作はこんな感じになります。

 

 f:id:Karvan:20181204224653g:plain

 

実はFoVを元に戻すときに「PerlinNoise手ブレ」も動作しているのですが、サンプリングの関係なのか手ブレの効果については上のGIFでは良く分かりませんね。カメラが急にワープしたかのように見えるし。

 

「PerlinNoise手ブレ」については次回のブログで記事にしようと思います。

 

 

【Unity】複数のオブジェクトの色を一気に変える

三連休だった

スパイダーマンになってNYの平和を守ったと思ったら、次は核戦争後の荒野を彷徨う事になってオンラインゲームなのに他のプレイヤーと滅多に出会わないという斬新な世界を旅する三連休を過ごしたのですが、あまりに休日ニートが過ぎたのか、車の定期点検にディーラに持ち込んだら担当者に「走行距離が全然伸びていないので、ほとんど新車同然ですね(ニヤニヤ)」みたいな感じで、褒められているんだか貶されているんだか分からない言葉を浴びたりしたので少しは外に出ようと誓った秋の夜。

 

一気に色が変わる

さて、製作中の「Dull Things No Life」ですが、ゲーム自体は典型的なエンドレスランゲームなので、迫ってくる障害物を右に左に上に下に避けて進んでいくだけ、という単純な内容となっています。

 

なので他の類似アプリと違いをだす為にアレコレと演出を考えているわけですが、最近思いついた演出が「周りの背景や障害物の色が一気に変わる」というやつ、シューティングゲームなどで偶に見かける演出です。

 

周りの背景の色を変える、とはスカイボックスやプレイヤー機を囲んでいる壁のMaterialをスクリプトで変えるだけなので特に問題ないのですが、悩んだのは「障害物の色を変える」こと。
つまり、大量に動いているオブジェクトの色を一気に変えないといけない

 

オブジェクトの色を変える

「Dull Things No Life」では障害物として動いているオブジェクトのMaterialは全て同じものを使用するように作っています。
これは性能対策としてBatch数を減らすためです。

 

ただ、Unityではオブジェクトに対して

GetComponent<Renderer>().material.color = 色;

を行うことでオブジェクトの色を変更する事が出来ますが、これを行うと内部処理でオブジェクト毎にMaterialが一つ追加されます。つまりBatch数が増えるという意味で、これでは性能対策をした意味がなくなります。

 

Materialのcolorを変更したいけどBatch数は増やしたくない。

 

そんなことで悩んでいたのですが、毎度お世話になっているテラシュールブログに解決方法が記載されていました。

 

tsubakit1.hateblo.jp

SharedMaterialを使う

テラシュールブログによればRendererのsharedMaterialで共通Materialにアクセスすることができるようです。


つまり、同一Materialを参照しているオブジェクト全てに対して変更内容を適用できるということで、共通Materialを変更するので内部処理で新たにMaterialを追加することもありません

 

使い方はmaterialと同じように

GetComponent<Renderer>().sharedMaterial.color = 色;
とするだけです。めっちゃ楽。

 

早速、取り込んでみたらこんな感じなりました。
(sharedMaterialの変更と同時に、スカイボックスと壁のMatrialを変更しています)

 

f:id:Karvan:20181127235051g:plain

 

まぁ、ソコソコ面白い演出になっているのではないでしょうか。

 

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