終わらない夏
長かった梅雨がようやく終わって夏が始まったばかりですが、コロナ禍が全く収まる気配がないのでたとえ夏休みでも何処にも行けないし行く予定もない皆さんこんにちは。部屋に閉じこもるしかなさそうですね。ハイそこ、通常通りとか言わない。
IKと言えば
Unityで「IK」と言えば「Inverse Kinematics」の事を指します。階段を登る歩幅を合わせたり、物を掴む指の動きを合わせたり、細かなアニメ動作を表現するために使われる技術です。
この技術を実装するアセットでは「Final IK」というアセットが有名で、先程の足幅や指、腕の制御だったり、2本足用,4本足用,射撃モーション用など様々なIKコンポーネントが含まれている非常に有用なアセットなのですが、なにせ価格が90ドル(消費税を含むと99ドル)と高いのでなかなか手が出ません。
なので、「Final IK」のように体の各部位の制御は必要なくて、首や顔の制御だけで良い、という方に紹介するのが今回取り上げる「Look Animator」となります。
Look Animator
このアセットはアセット名の通り、首や顔の視線制御に特化したアセットです。
ヒューマノイド(人型)だけでなく、トカゲや蛇のような多関節のモデルにも対応しており、Generic、Humanoid、およびLegacyのすべてのリグで機能します。
また、セットアップはヒューマノイドなら顔のボーンと視線先の対象物を設定するだけなので非常に簡単で、価格も11.99ドルで「Final IK」よりはお手軽な値段かと思います。
導入は簡単
Hierarchyで対象となるオブジェクト(モデル)を選択したら、メニューからComponent→FImpossible Creations→FLook Animatorを選択します。
FLook Animatorコンポーネントがオブジェクトに追加されるので、Charactor Setup欄のLead bone/Headの項目で顔のボーンを指定します。
ここでモデルの構造が複雑(子オブジェクトが多数)で顔のボーンがどれか分からないときは「AutoFind」ボタンを押します。
このボタンで自動的に顔のボーンを探して設定してくれます。
次に視線先の対象物をTweak Animation欄で指定します。
Object To Followの項目(黄色い網掛けの項目)にシーンビューから対象物をDrag&Dropします
これで基本的な設定は終わりです。
多関節のモデルや、ヒューマノイドでも首と一緒に肩等も動かしたい場合はCharactor Setup欄のAdditional Spine Bonesの項目で追加、視線を動かす動作の細かい修正は先程のTweak Animation欄で設定を変更します。
使用例
基本設定を終えて実際に動かすとこんな感じになります。
ヒューマノイドにはアイドル動作のアニメーションが設定していますが、Look Animatorによる視線の移動もアイドル動作と違和感なくブレンドできていると思います。