原カバンは鞄のお店ではありません。

Unityを使ったゲーム制作のあれこれを綴っていきます。

【アセット紹介】高機能でパフォーマンス性の高い草を生やすことができるGrassFlow2

大雨

天気予報で「今日は曇り、一部の地域では雨が降るでしょう」と言われる「一部の地域」に住んでいる皆さんこんにちは。TVでこのフレーズを聞いた日は必ず雨が降っている気がします。先日もバケツをひっくり返したような大雨に見舞われて、自宅前の道路が冠水寸前でしたが何とか無事にやり過ごすことができました。

 

早期アクセス版

このブログでは何度もお伝えしていますが、自作ゲーム「W.T.」の早期アクセス版を7/17にいよいよリリースします

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早期アクセス版という事で、全5章あるステージのうち4章までをプレイすることができます。残念ながらキーボードのみでの操作となりますが(製品版ではコントローラーに対応予定)、色のないループする迷宮を舞台に数学的センスを問う問題を数多く揃えた、遊びごたえのあるアドベンチャーゲームとなっています。

プレイ時間は恐らく1~2時間程度、Windows版、Mac版どちらも揃えています。
無料の体験版もストアページからダウンロードできるので、ぜひ遊んで見てください。

 

GrassFlow2

7/30に開催される東京ゲームダンジョン3に「W.T.」を出展するため、試遊版の特別ステージを作成しているのですが、その中で草原を歩くシーンが必要となったので、以前このブログで紹介した草シェーダを検討してみました。

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しかし、設定に手間が掛かることと、このシェーダーの特性上、拡大するとあまり草っぽくない為、他に良さそうな草シェーダがないか色々探し、以下のシェーダーを使う事にしました。

 

こちらのシェーダーでは草の形状をメッシュで指定できる為、拡大して表示しても違和感がなく、大量に草を生やしてもパフォーマンスに大きな影響を与える事がありません。
且つ、植栽の為のペイントツールまで用意されているので、色々な用途に応じて草を生やすことができます。

 

 

サンプルシーンの草原

 

植栽用ペイントツール

 

高性能だが使い方が難しい

上記のように草シェーダとしては高性能なんですが、実際に自身のプロダクトで利用しようとすると色々と戸惑うと思います。
例として、下の図のような地形(メッシュ)に草を生やすとした場合、

地形のGameObject、もしくは空のGameObject(サンプルシーンでは地形とは別のGameObject)にGrassFlowRendererコンポーネントを追加します。

InspectorのTerrain項目に草を生やす対象のGameObjectを指定する項目があるので、TerrainTransformの項目に地形オブジェクトを指定します。

が・・・

それだけでは「草用のマテリアルが設定されていません」的なエラーとなり、草を生やすことができません

赤枠で囲った箇所

 

それじゃぁ、と普通のGameObjectと同様に草用のマテリアルを指定しようとしますが、GrassFlowのInspector上には草用マテリアルを指定できる箇所がどこにもありません。
1,2時間試行錯誤しドキュメントも読んでみましたが、全く状況は改善しません、お手上げ状態です。
仕方ないのでドキュメントに記載されているチュートリアル動画のURLを開いて、動画を確認、そこでやっと暫定的な対応ですが、なんとか草を生やすことができました。

 

草を生やすには

空のGameObjectにGrassFlowRendererのコンポーネントを追加した後、そこで一旦シーンを保存して、GrassFlowのサンプルシーンを開きます

そこでGrassFlowRendererのInspectorから「Copy Component」を選択してコンポーネントの設定をコピーします。

次に先程保存したシーンに戻り

GrassFlowRendererのInspectorから「Paste Component Values」を選択して、サンプルシーンからコピーした設定を貼り付けます

そして再度、草を生やしたい対象のGameObjectを指定すると

草を生やすことが出来ます。

 

マテリアルの変更も面倒くさい

草を生やす量や、草の高さ、形状(メッシュ)などの要素はGrassFlowRendererコンポーネントの設定なので、サンプルシーンからコピーした設定を変更しても問題ありませんが、色などの情報はマテリアルの設定になるので、それらを変更してしまうとコピー元のサンプルシーンのマテリアルも変わってしまいます

上のように芝生の色を変えたい場合は、

マテリアル側の設定を変更する必要があります。

とはいえ、GrassFlowRendererのInspector上は草用マテリアルを変更する項目はないので、コピー元のマテリアルの設定を変更することになります。
なので、マテリアルの設定を変える場合は、その前にオリジナルのマテリアルをコピーして保持しておくことをお勧めします

変更後にオリジナルのマテリアルの設定に戻したい場合は、先程と同様に、Projectタブからオリジナルのマテリアルを選択して、Inspectorから「Copy Material Properties」を選択

戻したいマテリアルを選択して「Past Material Properties」を選ぶと

オリジナルの設定に戻すことができます。

 

最後に

サンプルシーンの設定をコピーすることでなんとか目的の地形に草を生やすことができました。
一度草を生やすと、草に対する高さや形状、植生の範囲や密度などは簡単に変更でき、ペイントツールを使うこともできます。
ただ、新規にマテリアルを作成してそれを使う方法は未だ試行錯誤中です。
もしこのアセットについて知見のある方はご教授いただけると幸いです。

 

【ゲーム制作】自作ゲームの宣伝にプレスリリースは必要

チェンバロまたはピアノのための幻想曲風ソナタ

とあるアーティスのコンサートに行ったら、そのアーティストの曲よりベートーベン「月光」を何度も聴かされた皆さんこんにちは。もはや「月光」の印象しか残ってません。寸劇交じりの構成であることは何となく耳にしていたのですが、まさか寸劇と曲の演奏時間が1対1だとは思ってませんでした。正直言えばもっと曲を聴きたかったです。

 

早期アクセス版

自作ゲームの「W.T.」ですが、無事にリリース準備を終える事が出来ました。早期アクセス版の為、ストアページに早期アクセスに関するQAを書かないといけなかったのですが、まさかそのQAにまでSteamからツッコミが入るとは思いませんでした。

曰く「製品版で搭載する機能に関してユーザに確定情報として提供してはいけない」らしく、具体的には「早期アクセス版とフルバージョンの違いは?」の項目で「現状はゲームコントローラーに対応していませんが、フルバージョンでは対応する予定です」の記載に指摘が入り、リジェクトとなりました。
日本語的には問題ないように思いますが、英語版の方の記載が「but the full version will support it.」(ただし、フルバージョンではサポートされます。)となっていた為、「確定情報として書くな」と怒られてしまいました。

英語版の作成を機械翻訳に頼るときは、そういった日本語とのちょっとしたニュアンスの違いに注意を払う必要がありますね。

 

リリース日決定

そういった訳でいつでもリリースできるんですが、Steamのサマーセールが6/30~7/14の間で行われるため、その期間を避けてリリースすることにしました。
とは言え、7/30に行われる東京ゲームダンジョン3では早期アクセス版をリリースした状態で展示したいので、早期アクセス版

 

7/17にリリースします。

 

加えて、それより前の7/9に体験版をリリースします。
どちらもWindows・Mac共にリリースです。Mac版の確認作業が間に合ってよかった。

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今からウィッシュリストに登録して頂くとモチベーションアップに繋がるので大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。

 

プレスリリース

「ゲーム開発は開発するだけはなく、宣伝作業も重要」とはよく聞く話題です。
実際に無名のインディーゲームでも受け付けてくれるメディアは幾つか存在するので、ゲームのリリースの目途が経ったら早速プレスリリースを作成して各メディアに送るのが吉だと思います。
幸いにも「プレスリリースの書き方」に関してもネット上に記事が載っているので、それらを参考して作成することができます。

note.com

note.com

実際に私も上の記事を参考にして、プレスリリースを作成して各所に送付させて頂きました。
原文はWordで作成したのですが、相手先が必ずしもWordを使っているとは限らないので、同じ内容のpdfファイルと、プレスリリースで使っている画像ファイルも併せて送付しました。

プレスリリースに関してお問い合わせフォームだけを開設しているサイトには、「プレスリリースを送りたいんですけど・・」と書いて返信のあったサイトに送らせてもらいました。
後から調べると、そういったサイトにはプレスリリース用の資料をGoogleドライブ等に上げて、そのURLと共に「載せてください!」と書くのが定石だそうで、次に正式版を出す際にはそうしたいと思います。

 

AUTOMATON様に掲載

無名の、正式版ではなく早期アクセス版のリリース情報という事で正直掲載は厳しいかな、と思っていたのですが、望外にもAUTOMATON様に掲載してもらうことができました

t.co

記事を読んで驚く事は、こちらが送らせてもらったプレスリリース以上の情報が載っているという事で、しかもわざわざ体験版までプレイして頂いたらしく、ゲーム内のストーリーに関してまで言及されており、本当に有難いばかりです。

この記事をきっかけにストアページの閲覧数、ウィッシュリストの登録数が急激の伸び、YoutubeのPVも視聴回数がわずか3日間で6倍になりました。

AUTOMATON様の影響力をまざまざと見せられた感じです。本当にありがとうございました。

 

最後に

ゲーム開発者の経験談を読むと「プレスリリースは積極的に送った方が良い」と書かれているものが多いのですが、本当にその通りだと思います。
拙作のように無名ゲームの早期アクセス版リリースという情報でも載せて貰えるので、自作ゲームのリリースを間近に控えいる方は積極的に使用するべきでしょう。

 

【ゲーム制作】数学的迷宮脱出ゲーム「W.T.」現状報告

手が出ない

そういえばファイナルファンタジーを一度も遊んだことが無い皆さんこんにちは。FFと言えばドラゴンクエストと並ぶ王道RPGですが、私はその昔友人が遊ぶFF7の召喚魔法ムービーを見て以来、FFに手を出す気が無くなりました。ウィッチャー3のムービーシーンでも殆どスキップしてしまう私なので、今作のFFにも手が中々伸びません。

 

リリース前が一番忙しい

予定では今回の更新で「アーリーアクセス版をリリースしました!!」と報告するはずだったのですが、リリース直前に限って細かいバグが発覚したり、どうしても気になる修正点が出てきたり、Steamへのビルド作業が手間取ったりして現状ではWindows版のみSteam審査待ちの状態とすることができました。

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Mac版についてはビルドに使用するMacBook Airでの作業に手こずり、色々と動作確認中の状態です。(ストアページの対応プラットフォームから一旦Macを外しました)
動作確認が取れ次第、Windows版に続いてリリースする予定ですが、プロジェクトを開くと使用している一部シェーダーのエラーが表示されるで、それらの修正に時間が掛かるかもしれません。

 

Windows版はリリース・・・とはいえ

前述のようにWindows版はレビューに提出したので審査が終わればリリースすることになりますが、丁度6/30からSteamのサマーセールが6/30~7/14で行わる予定です。

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色々調べていると「セールス期間のローンチ(リリース)は避けた方が良い」との情報が出回っており、確かに大型セール中に「新発売」の看板を掲げても見向きされないと思うので、Steamの審査が延びてサマーセールが始まってしまったら、審査が終わってもサマーセールが終了するまではリリースしないと思います。

まぁ、今回は7/30に開催される東京ゲームダンジョン3に出展する為、それまでにはリリースしないといけないんですが(配布物に「Early access」のURL貼ったし)。

 

出展準備

リリース作業と同時に東京ゲームダンジョン3への出展準備も始めています。

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既に会場で掲示するポスター(A2)と配布するクリアファイルについては発注済みで、展示スペースで使うテーブルクロスもデザイン案を作ったので発注予定です。

クリアファイルは一般的なプラスチック(PP)製ではなく、ちょっと珍しさを狙って紙製としました。
紙製の場合は、片面印刷しか行えず、ファイル中央部にしかデザインできないという制約があったのですが、100部刷ってもお値段がソコソコに抑えられたので良かったのではないでしょうか。

会場では上のデザインが印刷されたクリアファイルを配布予定です。展示会の1日で100部も掃けるとは思ってないのですが、余った分は他の展示会でも使えるかなぁ、と思って100部発注しました。(紙製でちょっと重量があるので100部全ては持ち込まないかもしれない)

 

Steam Nextフェス

Steamでは年に数回、無料体験版を紹介する大型イベント「Steam Nextフェス」が行われます。(下のリンクは6月分のリンク)

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こちらはオンラインのゲーム展示会のようなイベントで、インディーを中心とした新作ゲームの無料体験版の公開と、開発チームによるライブストリームなどが行われ、海外では注目度が高いイベントです。
1作品につき1回までしか参加のチャンスが無いイベントなので、我が「W.T.」もエントリーすることにしました

 

なので体験版もリリースします。

 

面倒なことにSteamで体験版はストアページを別に作成する必要があるので、ストアページ作成→ビルドリリースまで、ちょっと時間が掛かりますが、前述の理由でアーリーアクセス版のリリースが伸びても、体験版の方は審査が済み次第早々にリリースするので、このブログを読んでちょっと興味のある方は体験版のチェックもよろしくお願いいたします。

体験版自体はふりーむ!やフリーゲーム夢現等で配布しているバージョンと同じ所までプレイ可能とします。違いはグラフィックが多少良くなっているのと、幾つかのバグが修正されています。

 

今後について

アーリーアクセス版のリリースが終わったら東京ゲームダンジョン3で試遊してもらう為のバージョンを作成します。
こちらは試遊版用の特別ステージとする予定で、リリース版とは違うギミック、パズルを用意します。

こちらは試遊版用の特別ステージとする予定で、リリース版とは違うギミック、パズルを用意します。
東京ゲームダンジョン3まであまり日数が無いので、急ピッチで仕上げる必要がありますが、10~15分程度で楽しんで貰えるものに仕上げる予定なので、東京ゲームダンジョン3に来場する予定のある方は、立ち寄ってもらって遊んで頂けると幸いです。
(間に合うかなぁ・・・)

 

【Unity】小ネタ:オブジェクトを均等に並べるにはSplineを使うと便利

万能カード

とりあえず自作品の批判には「僕の作品を理解するには知性が必要」と答えようと思っている皆さんこんにちは。どんな批評相手にも使える万能カードだと思います。まぁ、使っている人間の品性は低く見えますが。

 

アーリーアクセス版

と言うのも、自作のアドベンチャーゲーム「W.T.」のアーリーアクセス版のリリースを控えて、浴びせられる批評に今から戦々恐々としているからだと思うのですが、その前にバグ対策と最適化の作業を終えないといけない。

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自作スプリト部分のバグ対策はなんとかなりそうですが、フレームワークもからむバグになると調査に時間が掛かるため中々スケジュール通りにはいきません。
アーリーアクセス版をなんとか今月中にはリリースしたいので、来週はこのブログの更新を停止して開発作業に注力したいと思います。
来週はunity1weekも開催されるようですが、そちらも今回は参加しない方針。

つまり、そのぐらいの意気込みで作っているので、ぜひウィッシュリストに登録をお願いします。

 

スプラインツール

少し前の記事でUnity2022.1以降のバージョンからEditor上でSpline曲線を作成できるツールが標準で使える事を紹介しました。
(PackageManagerからSplinesパッケージのインストールが必要)

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上記の記事では作成したSplineに沿ってGameObjectを移動させる手順について紹介しましたが、Splineにはこれ以外にも便利な機能があり、Spline Instantiateコンポーネントを使用するとSplineに沿ってゲームオブジェクトを配置させる事ができます

例えば、下の図の直線のSplineを使用する場合、(見ずらいけど青い線がSpline)

 

最初にAdd ComponentからSpline Instantiateを選択して取り付けます。

 

Spline InstantiateのContainerの項目にGameObjectを配置させたいSplineを指定します。

Items To Instantiateに配置させるGameObjectを指定しますが、これはプレハブでもHierarchy上のObjectでも構いません。
Instatiation欄にはどのような規則で配置させるかを指定します。
例えば距離1の間隔で均等に配置したい場合は上の図のような設定になります。

ここまで設定したら、後はRegenerateボタンを押すとスプラインに沿って、上記の規則でItems To Instantiate欄のObjectを作成して配置してくれます。

 

Instatiation欄はListになっている為、複数個のObjectを指定する事ができ、その場合はそれぞれについて生成確率を指定します。
例えば、3個のObjectを配置したい場合は、以下のような設定を行います。

Regenerateボタンを押すと生成確率に沿ってObjectが生成されて配置されます。

 

生成をある程度ランダムにしたい場合は、Instatiation欄の設定を個数指定(Instance Count)にするか、Spacingの設定をExactではなくRandomに変更し、配置距離のMinとMaxの値を指定します。

上図の設定により結果は以下の通り

ちなみに、Auto Refresh Generationにチェックを入れるとスプラインやSpline Instantiateコンポーネントの値を変更した時に自動でGameObjectが生成されます。

 

最後に

GameObjectを直線的に配置する場合は、Splineを使わず直接行ってもある程度簡単にできますが、下図のような円周上に且つ、高低差も含んだ状態で均等に配置しようとすると中々骨が折れます。

マップの作製やレベルデザインを行う際にはSplineを活用する方が効率的に作業が行えると思います。

【ゲーム制作Tips】トーンを考慮してゲーム画面を配色する

ティアキンやっている人にしか分からない

Lキーを押してマップを開いてる人類はいないと思う皆さんこんにちは。ついでにカメラもamiiboも使うことはないのでLキーメニューから外してもらうと助かります。ウルトラハンド使おうとしてカメラで撮影しちゃう事が多々あります。

 

W.T.

前回の記事でもお伝えしましたが一人称視点の3D脱出ゲーム「W.T.」のストアページを開設しています。

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四則演算や数式を解くというより、数学的なセンスを使って謎を解くことをコンセプトにしたゲームなので、適当にガチャガチャしても(多少時間が掛かるけど)解けるようになっており、誰でも楽しんで頂けると思います。
アーリーアクセス版を今月中にリリース予定ですので、ウィッシュリストへの登録をお願いします

 

トーン

今年初回の記事で色の三属性(色相、明度、彩度)について取り上げて、その中では同じ色でも明度、彩度を変えることで印象が大きく変わる、という事を紹介させてもらいました。

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色の三属性を考慮することはゲーム画面をデザインする上で重要な要素ですが、デザイン畑ではない人間からすると自分のイメージに合わせて明度、彩度をどのように変えれば良いのか分かりません。
そういったときに指標として使えるのが「トーン(色調)」という概念です。

トーンとは「明度」と「彩度」を融合した概念で、これを用いることで色を「色相」と「トーン」の二属性で表し、体系化されたカラーシステムを作ることができます。
代表的な物にはPCCSというカラーシステムがあり、「明度」と「彩度」を軸にした二次元平面をいくつかの領域に分割し、各領域毎に色相環を配置して色票図を作ることで初心者にもわかりやすい配色体系となっています。

この図は上が高明度、下が低明度、右が高彩度、左が低彩度となっていて幾つかの領域に分割されています。各領域にはそれぞれ色調(=トーン)を表す名前が割り当てられていて、その中の色相環は12分割されて色を表示しています

このPCCSを使った配色法は良く知られており、多くの種類が存在しますが、今回はその中でも代表的な手法をつかってゲーム画面の配色を考えてみたいと思います。

 

PCCSを使った配色

ゲームの中でも最も「配色」の効力が発揮されるのはタイトル画面、メニュー画面だと思います。
2Dゲーム、3Dゲームに関わらず画面の大部分をImageやUIで占め、且つ大きな変化が起こらないので、画面の配色の印象がそのままダイレクトに伝わります。
なので、今回は以下のような仮のタイトル画面を使って様々な配色法で色を当てはめていきたいと思います。
ちなみに下の画面はメインカラー、サブカラー、アクセントカラーの三色で構成されています。

 

■ドミナント・カラー配色

12分割された色相環の中から一つ色を選び、同じ色相を異なるトーンから選ぶ手法です。
例えば「色相環の6番目の色」と決めたら、それぞれのトーン中から「色相環の6番目の色」をピックアップして配色します。

同じ色相でまとめて、明度、彩度で変化を付ける為、色が持つ雰囲気を表現しやすい手法です。

 

■ドミナント・トーン配色

トーンを一つ選び、その中の色相環から色を選ぶ手法です。同じトーンでまとめて、カラー(色相)で変化を付けます。

トーンの持つイメージを強く印象付ける配色です。色相が異なりますが明度、彩度が同じであるため、派手になりすぎず個性も出せる手法です。

 

■トーナル配色

ドミナント・トーン配色から派生した手法で、ダルトーンとその周辺のトーン(ソフト・ライトグレイッシュ・グレイッシュ)の中からトーンを選び、色相は自由に選択します。

中明度、低彩度の中間色同士で構成するため、渋く落ち着いたイメージを与えやすい配色です。

 

■カマイユ配色

ドミナント・カラー配色とドミナント・トーン配色の合わせ技のような配色法で、トーンも色相も隣接したものを選びます。
PCCSで色相差が1以内で、トーンも同じか隣のトーンを選択します。

ほぼ同じ色相、色調で統一され、優しい味わいのある配色になります。

 

最後に

配色技法は調べてみると沢山ありますが、トーンを使った配色は私のような初心者でも手の出しやすい配色技法だと思います。
配色技法をうまく活用できれば、意図した印象を与えることができ、ゲームの絵作りに悩む量を減らす事ができます。

 

まぁ、配色に関しては技法を勉強せずとも配色パターン集などが数多く出版されているので、そちらを参考にしても良いですが。

【半額セール対象アセット】シャープな絵作りポストプロセシングBeautify3

スケジュール

ゲーム開発のスケジュールを改めて確認したら以外に余裕がない事が分かった皆さんこんにちは。7月末に東京ゲームダンジョン3に出展するのでそれより前にはアーリーアクセス版をリリースしないといけないし、その為にはイベントの追加やらバグの改修やら最適化やらの作業を完了しないといけない、それに加えて東京ゲームダンジョン3での配布物の発注や掲示物のデザインをしないといけないし、テーブルクロスや展示用のモニターや電源タップ等の購入も必要で、それをどうやって東京まで持っていくか手筈を整えて・・・とやる事沢山なんですが、その割にはハイラル平原でゾナウギアをアレコレ引っ付けて遊んでたりします。最近は料理鍋をサスペンション代わりに利用することにハマっています。

 

Steamストアページ開設

いろいろ予定は詰まっていますが、取り合えず自作ゲーム「W.T.」のストアページをSteamで開設することができました。

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少し前にこのブログで「ストアページの作成法」みたいな記事を偉そうに書きましたが、実際の開設がここまで遅れたのは非常に恥ずかしい限りす。

これというも偏にSteamからのリジェクトがしつこかったに尽きるのですが。

「"この製品について"セクションで、顧客が購入に含まれると期待できる機能やコンテンツが十分に説明されていない。」と何度も同じ指摘内容でリジェクトされ、そのたびに文面を書き直して提出しました。
が、それでもリジェクトされ、あまりにしつこいので「このゲームは一人称視点で操作するアドベンチャーゲームです。プレイヤーをキーで操作してパズルを解いていくゲームです。それ以上の機能はありません。他の同じようなゲームのストアページと比べて書いている内容に大差はないと思いますが、一体何が不足しているのか具体的に説明してください」と逆切れ気味に返信をしたらアッサリと承認されました。何という事でしょう。

とりあえず上のリンクからウィッシュリストに登録してもらえると作者のやる気につながるのでよろしくお願いいたします

 

スプリングセール

現在、Unityのアセットストアにてスプリングセールが実施中です。(期間 : 2023年6月2日23時59分まで)

assetstore.unity.com人気のアセットが半額で購入できる上に、いくつかのアセットでは先着順で最大70%オフにもなるフラッシュディールも開催されています。

高額アセットも半額なっているものがあるので、この機会に幾つか購入したのですが、その中で一番今後も利用する機会があるであろうアセットが今回紹介する「Beautify3」だと思います。

 

Beautify3

3と銘打ってるように、以前から売られているアセット「Beautify」の最新バージョンとなります。

このアセットは色々なブログ等で「簡単にゲームの見栄えを綺麗にする」と紹介される事が多いアセットで、カメラにコンポーネントをアタッチするだけで手軽に綺麗な画面を作ることが来ます。

具体的には下の図を見てもらうと分かりますが、(画面右がBeautifyON、左がOFF)

「見栄えを綺麗にする」=「より鮮明でクリアな画をつくる」という意味で捉えてもらうと良いかもしれません。オブジェクトの境界部分やテクスチャの陰影等の部分が強調されて細部が見えやすくなり画面全体の鮮明度が上がったように見えると思います。

この処理は主に「Sharpen」という項目による効果ですが、このほかにも「Bloom」や「Depth of Field」といった一般的なポストプロセスの項目もあり、結構拡張性があります。

Bloomを追加

 

Depth of Fieldを追加

 

アンチエイリアス

ポストプロセスのエフェクトアセットは他にもたくさんあるのですが、この「Beautify」の最大の特徴はアンチエイリアス(Anti-aliasing)と相性が非常に良いという事でしょう。
アンチエイリアスとはオブジェクトの境界線などで表示されるギザギザ(ジャギー)を目立たなくする処理のことで、画面の見栄えを良くするための一般的な手法で、Unity標準のPostProcessingStack2(PPSV)にも搭載されています。(Beautify自体には搭載されていません)

アンチエイリアスではジャギーの原因となる境界付近の色の変化をその周囲をぼかす(=滲ませる)事で軽減し、ギザギザの表示を減らしています。
だが反面、オブジェクトの細部もぼかされてしまうため、のべつ幕無しにアンチエイリアスを掛けてしまうと、逆に見栄えが悪くなる結果となって仕舞います。
UnityではPPSVのアンチエイリアス対象のレイヤーに「Default」や「Everything」を指定すると警告を表示したりします。

しかしこの「Beautify」を使用するとアンチエイリアスによるボケた箇所も「Sharpen」の効果で補完してくれるので、ジャギーが軽減された状態で鮮明化した画を作ることができます。

 

また、この「Sharpen」の効果を強くする(=Clampの値を上げる)とオブジェクトのエッジがより強調されるため、一見アウトラインが描かれたようになります。

アウトラインを使いたい場合は、個別にアウトラインエフェクトを使うよりはこちらの方が見栄えが良いと思います。
(BeautifyにもOutlineの項目があるが、あまり使い勝手がよくない)

 

その他の効果について

「Beautify」では今回紹介した「Sharpen」や「Bloom」「Depth of Field」以外にも使えそうなエフェクトがあるのですが、それは以下の記事で詳しく書かれているのでそちらを参考にして下さい。

raspberly.hateblo.jp

【無料アセット紹介】モデルサイズに合わせてテクスチャを自動で敷き詰めてくれる MasterCube

クラフト

ティアキンがRPGではなくクラフトゲームと化してる皆さんこんにちは。もはやゼルダ姫を探すとかどうでも良くなってきました。ギアを集めてアレコレ作るのが楽しいです。あと、キースの目玉を矢につけると誘導弾になるのでキース狩りばかりやってる。

 

IndieLiveExpo 2023

先週末(5/20)にYoutubeにてIndieLiveExpo 2023が放送され、私の自作ゲーム「W.T.」も15秒という短い時間ですが紹介して頂けました。
300件近いタイトルの中でいつ紹介されるのか分からなかったので、放送開始からずっとPCに張り付いていたのですが、中盤頃の集中力が途切れたタイミングで登場したので危うく見逃すところでした。

www.youtube.com

放送後にこれといったリアクションは無いのですが、何より無事に紹介されて良かったと思います。心残りは放送タイミングでSteamのストアページを開けなかった、という事ですが、これについは後日取り上げたいと思います。

 

MasterCube

結構古めのアセットでストアページも地味なんですが、以外に有用なアセットだと思います。(しかも無料)

assetstore.unity.com

Cube形状のモデルに対しテクスチャのUVを云々する事に特化したアセットみたいです。機能は大きく3つあり

  1. モデルのサイズに合わせてテクスチャを自動で敷き詰める
  2. モデルのUVを各面毎に調整する
  3. メッシュを結合して単一のメッシュにする

となっています。
このうち3に関してはモデルの形状はCubeに限らず色んな形状のメッシュでも使用することができます。

 

テクスチャの自動調整

Unityではモデルの各方向(X/Y/Z)に対してサイズを変更することができますが、テクスチャに関してはUV調整されないのでモデルの形状に引っ張られて、テクスチャを引き延ばした形で設定されます。
この為、同じモデルでもX/Y/Z方向のサイズが異なったメッシュに対して、テクスチャの見た目を合わせようとすると個別にUVを調整したMaterialを用意する必要がありました。
一方このアセットを使用すると、引き伸ばしたメッシュを元にUVを自動で調整してくれるのでMaterialを増やす必要はありません。

使い方は簡単で、Cube上のモデルにMasterCubeのコンポーネントを追加し、Reflesh Base UVを押すだけです。
後はSceneビュー内でモデルのサイズを変更すると自動的に調整されます。
逆にGameビューを表示してInspectorからモデルのTransformの値を変更した場合は反映されないので注意してください。

 

各面毎にUV調整

上の自動調整はモデルの各面全てに適用されますが、各面毎にUVの調整を行うこともできます。

MasterCubeコンポーネントには「Face Transform」という項目があります。

そこではFront~Bottomまで6面のUVとOffset、Rotationの設定が行えます。よって、この項目を使用して各面のUVを調整出来ます。

分かり切った事かもしれませんが、このような調整が行えるのはモデルがCube形状であることが前提です。斜面や曲面があるようなモデルは上手く適用されません。

 

メッシュの結合

最適化の手段等で使われる事のが多いメッシュ結合。それ専用の有料アセットもありますが、このアセットでも実現することができます。
使い方は簡単です。

  1. 空のGameObjectを作成
  2. 結合したオブジェクトを空のオブジェクト以下に配置
  3. Hierarchy上で空のオブジェクトを右クリック > Combine Meshsを選択

例えば、以下のような3つのCubeを結合する場合、空のオブジェクト(CombineRock)の配下にCubeを配置します。

空オブジェクト(CombineRock)をHierarchyで選択して右クリック→メニューから[Combine Meshs]を選択します。

すると空オブジェクト(CombineRock)配下のメッシュが結合されて一つのオブジェクトになります。

結合前のオブジェクトのMaterialがバラバラの場合でも、Materials配列の中に設定されるので問題ありません。ただし結合前のメッシュ情報はどこにも残らないずCtl+ZでのUndoも効かないので注意が必要です。

 

まとめ

UVの調整機能に関しては適用されるモデルがCube形状である事が条件なので使う範囲は狭いかもしれません。
また、メッシュ結合に関してはテクスチャを一枚に統合したりする機能はないので、あくまで簡易的な最適化手段として使う方が良いと思います。使いどころが限られるアセットですが、まぁ、何より無料のアセットなので試しに導入しても悪くないかな、思います。

 

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